
■ ■ ■ ■ ■ Opening ■ ■ ■ ■ ■
リビングのソファー。毛布被って眠っている時任と、
傍らで雑誌を読んでいる久保田。
時任 「(寝返りうちつつ)ん………」
久保田「おはよ」
時任、ムクッと起き上がり、身を捩って時計を見上げる。
時任 「(擦れ声で)…………5時半。…朝?」
久保田「夕方。」
時任 「うっそだろ…(つっぷして)だって寝たの何時だよ…」
久保田「朝の4時頃?」
時任 「うげ。(指を折りつつ)……ごぉ、ろく、なな、はち、きゅ…」
久保田「13時間」
時任 「新記録じゃん」
久保田「そう?」
時任 「……っ、あたた……飲み過ぎた………
水、みず〜〜〜」
久保田「はいはい。待ってな」
言いながら雑誌を置いて、立ち上がる久保田。
リビングに行った久保田に呼び掛ける時任。
時任 「……なー、お前いつ起きたの?」
久保田「んー?昼過ぎかな」
カチャカチャと、遠くから久保田の声とともに
グラスを出す音が聞こえてくる。
時任 「(頭を掻きながら)起こせよ……」
ザー。水道の音。
久保田「だって気持ちよさそうに寝てたじゃない。
別に何か用事がある訳でもないっしょ」
時任 「そらそーだけど。
…でもなんかもったいねーじゃん」
久保田「何が?」
キュッ。蛇口を閉めた音。水音が止まる。
時任 「時間が。」
久保田、コップ片手に戻ってくる。
久保田「なんで?」
時任 「………なんでって……。
もったいないだろ」
久保田「なにそれ」
コップを手渡される時任。
時任 「やりたい事とか、いっぱいあるじゃん」
久保田「んー?」
腰をおろす久保田。
時任 「食ってみたいもんとか、
見たいTVとかやりたいゲームとか」
久保田「んーーーー………」
時任 「ないんかい」
久保田「さあ?」
時任 「(ごくごくごく。水を飲み干して)
…あるんだよ」
トン、と床にコップを置く。
久保田「そーなの?」
時任 「そーなの。……っしょっと(ゴソゴソ)」
久保田「で、なんでまた毛布かぶるかな」
時任 「もーちょっと寝たいから。」
久保田「(微笑)…てゆーかさ」
時任 「んー?」
久保田「お前見てるだけで、飽きない」
時任 「………そりゃ良かったな
(大あくびしつつ)あ〜〜〜朝日が眩しい〜〜〜〜」
久保田「……夕日だってば」
シャッ。カーテンを閉める音。
■ ■ ■ ■ ■ Ending ■ ■ ■ ■ ■
まだ薄暗い明け方。リビングに久保田と時任。
シャッ。カーテンを開ける音。
カラカラカラ……窓を少しだけ開けると、冷たい隙間風が。
時任 「……うわっ、寒ッ!!」
久保田「やっぱ明け方は一番冷えるね」
時任 「さむい、久保ちゃん寒いって!!うーわー」
喚きながら毛布を被る時任。
久保田「お前が窓開けろって言ったんじゃない」
時任 「だって部屋ん中真っ白なのは久保ちゃんのせいだろっ」
久保田「空気清浄機も買うかなぁ」
時任 「…こないだTVでやってたじゃん。
煙草吸ってるヤツの肺、真っ黒でちょーキモイの」
久保田「うん、あの映像見ても煙草やめない人間は、
一生やめられないんだってさ」
時任 「じゃあお前一生だ」
久保田「多分ね」
時任 「煙草吸ってんのは構わねぇけどさ、
だったら買えよ空気清浄機。
俺一生、煙たいじゃんそしたら」
久保田「…………」
時任 「………?なんだよ」
久保田「…いや?なんかちょっと」
時任 「何………って、うわ、俺の毛布!」
久保田「俺も寒いんだもん。はい半分こ」
時任 「なんだかなぁ…野郎ふたりで間抜けくさいぞコレ」
久保田「そぉ?」
時任 「…いいけどさ」
沈黙。遠くから微かに始発電車の動き出す音。
久保田「………なんか」
時任 「あ?」
久保田「分かったわ。もったいないの」
時任 「何が」
久保田「時間。もったいなって、お前言ってたじゃない。
確かに、もったいないかもな」
時任 「……久保ちゃんが言うと、なんかヤなカンジ」
久保田「なんでよ(苦笑)」
時任 「もったいなくねぇよ。先は長いだろっ」
久保田「言ってる事無茶苦茶なんだけど…」
時任 「いいの、長いの、余り有るのっ!
でもって俺の肺まで真っ黒になるんだよ」
久保田「いいな、それ」
時任 「よくねーよ」
久保田「はいはい。
……窓、閉めるか?」
時任 「………まだいい。
今は………
寒くねーから。」
END.
================================================
ドラマCDのオープニングとエンディング用に書き下ろした、ショート
シナリオです。シナリオを提出した際のト書きもそのままで掲載しました。
これは結構自分的に気に入ってます。声優さんの演技も素晴らしいの。