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 ■ ■ ■ ■ ■ Opening ■ ■ ■ ■ ■

  うっすらと聴こえている雨音。
  -----------ガチャ。
  ドアが開くとともに、ザァァァァと雨の音がハッキリ聴こえる。
  飛び込んで来る久保田と時任。

時任 「……うっわ!ズブ濡れだぜ、くっそ〜〜〜」
久保田「急にきたね」

  ふたりが玄関に飛び込み、ドアがバタン!!と閉じるとともに
  雨音はまた遮断される。
  ※久保田はコンビニの袋を持っているので、ビニールのガサガサいう
   音も入れて下さい。
  久保田は家の中に上がり込み、時任は玄関口で濡れた服をはたいている。

時任 「天気予報のねーちゃんは“今日は1日快晴ですぅ”て
    言ってたんだぞ」
久保田「お天気お姉さんにだって牌の流れが読めない日もあるだろ。
    ……ほい、タオル」
時任 「ん、さんきゅ。あー冷てーーーー」

  時任、わしわしと頭拭きながら家の中に上がる。

久保田「(時任に向かって)上着は洗濯機に放り込んどきなさい。
    ……暖房付けたままにしとけばよかったな」

  と、呟きつつ久保田、テーブルの上のリモコン拾い上げ、エアコン入れる。
  設定温度を上げる、ちいさな電子音が2回。

時任 「腹減ったーーーー。今朝から何も食ってねーじゃん」
久保田「じゃ、昨日の残りの」
時任 「(不服そうに)カレーか!?またカレーなのか!?」
久保田「嫌ならあげない」
時任 「嘘、カレー万歳〜!わーカレーだカレーだ(←投げやりに)」
久保田「あっため直すから待ちなさいって……」

  カチッ、シュボッ。コンロの火が付く音。
  グツグツグツ。コトコトコトコト。カレーが煮える音。
  そして、雨音が静かに聴こえている。
  カレーが煮えるのを待ってるふたり。

時任 「………久保ちゃん」
久保田「んー?」
時任 「久保ちゃん、雨嫌いだろ」
久保田「…なんでそう思う?」
時任 「時々、違うトコ見てる気がする」
久保田「何処を?」
時任 「………わかんねーけど。どっかを。」
久保田「お前がそう思うんなら、そうなんだろうなぁきっと」
時任 「なんだよソレ………」
久保田「俺は自分の事よくわからんから。きっとお前の方が知ってる」

  コンロの火を止める久保田。カチャカチヤと皿を出す音。

時任 「………久保ちゃん」
久保田「ん?」
時任 「(照れて吐き捨てるように)俺、ずっとここに居るかんな」

  久保田、手を止めて。

久保田「うん、知ってる。(アッサリと)」
時任 「あ、てめぇ、なんだよその態度っ!!
    少しは嬉しそうな顔とかしやがれっ」
久保田「だってお前の事はね
    ………俺の方が、よく知ってるんだ。」


 ■ ■ ■ ■ ■ Ending ■ ■ ■ ■ ■

  リビング。
  つきっぱなしのTVから、深夜の通販番組が流れている。

時任 「なぁ、くぼちゃん」

  ガチャ。リビングに、喋りながら入ってくる時任

久保田「んー?」
時任 「俺コンビニ行くけど、ついでに何か買ってくるモンある?」
久保田「どしたの、こんな時間に」
時任 「コーヒー飲もうとしたら、牛乳切れてた」
久保田「あそう。」
時任 「……なに、また観てんの?面白いかァ、通販番組なんて」
久保田「面白いよー色んな意味で。
    今、ジョーイとマイケルが鍛えた腹筋を見せびらかしてるトコ」
時任 「げ、サイアク。ヤローの身体見ても楽しくねーぞ俺はッ」
久保田「楽しいのは、
    『その見事な腹筋は本当にその“ボディーなんちゃら”って機具だけで
    そこまで鍛えられたんですか?』っていう点だね」
時任 「不毛な楽しみ方してんなー……、じゃなくて!
    なんか買って来るモンあるかって聞いてんの」
久保田「えーとね……近代麻雀の新刊」
時任 「ん、分った」
久保田「そうだ、TVのリモコン弱ってたっけ。単3電池も宜しく」
時任 「近麻(キンマ)と電池ね。」
久保田「あ、ついでにビール2本、あと、チーかま。それから」
時任 「まだあるのか!?」
久保田「煙草切れそうだからセッタ1カートン………」
時任 「だーーーーーーーーーー面倒くせぇ、てめぇも来いッ!!」
久保田「はいはい」と優しく言って立ち上がり、TVを消す。

  少しづつ遠ざかる、ふたりの声

久保田「外、涼しそうだから散歩がてらね」
時任 「コンビニなんて、すぐソコじゃんか」
久保田「人生、遠回りも肝心」
時任 「なんじゃーそりゃ(笑)」
久保田「大体、俺がついて行かないとお前、肝心なモノ忘れそうだし?」
時任 「何」
久保田「牛乳。」
時任 「あ。」

  バタン。扉が閉る音

                 END.

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ドラマCDのオープニングとエンディング用に書き下ろした、ショート
シナリオです。シナリオを提出した際のト書きもそのままで掲載しました。
このドラマCD1巻には時任の出番が少なかったので、本編とは時間軸が
ズレるけど、ふたりで暮らしている風景を入れておきたかった。
以降、この『盗聴風ショートドラマ』が定番になりました(笑)。

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